被害統計

詐欺被害の実態について最新の情報を提供しています。
警察庁が発表している犯罪統計資料等を基に、詐欺防止ネットワークが独自に分析、加工したデータとなりますので、内容に関してのお問い合わせはネットワーク事務局までお願いいたします。

詐欺被害者の年齢別および年齢・性別統計データ

犯罪統計資料※1によると、今年1月に認知された詐欺被害者の数は1,884人※2となっています。
※1 全国の都道府県警察から報告された資料を基に、警察庁が犯罪統計規則に基づきまとめたデータ
※2 法人・団体、被害者なしの件数は除く

【詐欺被害者の年齢別 認知件数】

総数1,884人のうち、70歳以上の高齢者が723人となっており、全体の約4割を占めています。
高齢者の世代別内訳は、70代が380人で20%、80代以上が343人で18%と他の世代に比べ高い水準となっています。

【詐欺被害者の年齢・性別 認知件数】

また男女別に見た場合、70歳以上の高齢者では女性が566人と約8割を占めています。 70代、80代の高齢女性の被害が格段に高いのは、特殊詐欺(オレオレ系、還付金など)の被害が一因と考えられます。

特殊詐欺の認知件数

「平成30年12月の特殊詐欺認知・検挙状況等について」※によると、平成30年中(1月~12月)の」特殊詐欺発生状況は、認知件数16,493件(前年同期比-1,719件、増減率-9.4%)、被害額約356.8億円(前年同期比-37.9億円、増減率-9.6%)となっています。
昨年に比べ認知件数、被害総額ともに約1割弱の減少となっていますが、依然として特殊詐欺被害は件数、金額とも高止まり傾向にあるといえます。
※警察庁の報道発表資料 (2月21日)
※認知件数は既遂および未遂も含む件数。また被害額は実質的な被害総額(詐取されたキャッシュカードにて引き出された金額を含む)。

【解説】
面識のない不特定の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、預貯金口座への振込みそ の他の方法により、現金等をだまし取る詐欺を総称して、警察庁は「特殊詐欺」と定義しています。
特殊詐欺はその手口別に8種類あり、①オレオレ詐欺、②架空請求詐欺、③融資保証金詐欺及び④還付金等詐欺の4つが「振り込め詐欺」と総称され、それ以外に⑤金融商品等取引名目の特殊詐欺、⑥ギャンブル必勝法情報提供名目の特殊詐欺、⑦異性との交際あっせん名目の特殊詐欺及び⑧その他の特殊詐欺に区分されています。

【特殊詐欺 種類別認知件数】

特殊詐欺の中でもオレオレ詐欺が全体の51%を占める9,134件で、続いて架空請求詐欺が4,852件、還付金詐欺が1,910件と、この3種類で全体の96%(342.8億円)を占めています。


【特殊詐欺 種類別一件あたり平均被害金額】

実質的な被害総額は、オレオレ詐欺が182.8億円、架空請求詐欺が137.4億円、還付金詐欺が22.5億円となっており、この3種類で342.8億円と特殊詐欺全体の96%近くを占めていますが、一件あたりの平均被害額を見てみると、金融商品等取引名目で約558万円、ギャンブル必勝法系で384万円、異性との交際名目で275万円となっており、オレオレ系の2百万円に比べ平均被害額が高くなっています。

また、特殊詐欺全般の被害金額も平均216万円に上り、架空請求詐欺では平均被害額が280万円を超えています。 還付金詐欺の被害額は平均100万円を超えていて、還付金の金額自体は2~3万円と現実にありそうな金額を騙り、ATMで振り込ませた後に、「振り込み処理がうまくいかない」などと何度も同じ振り込み操作を繰り返させられることで、被害金額の膨れ上がっています。


【オレオレ詐欺 形態(文言)別 認知件数】

オレオレ系詐欺で使われる騙しのストーリーでは、「横領事件を起こしたため、その損失の穴埋め」や「借金が返せなくなって窮地に立たされている」といった内容のものが1割を占めていますが、統計データによると「その他名目」が全体の8割を超えています。

「その他名目」には親族、警察官等を装って電話をかけ、口座の凍結が必要であるなどと称してキャッシュカード、預金通帳等をだまし取るもの等の他、「紛失系・間違って送った系」のトークで、「カバンをなくした」、「重要な書類を紛失した」、「携帯を落とした」、「荷物を間違えて送った」、「果物を送った」等のアプローチが多くみられます。

詐欺犯は親族や警察官などに続いて、駅の遺失物係や銀行協会職員、郵便局員、会社の上司、弁護士などを登場させ、最終的に自宅まで押しかけてキャッシュカードをだまし取る等、詐取金の回収がより巧妙化しています。


【架空請求詐欺 形態(文言)別 認知件数】

架空請求詐欺では依然として有料サイト利用(いわゆるアダルトサイト系)に関する請求が全体の44%と過半に迫る件数であり、次に訴訟関連の請求が約2割を占めています。

訴訟関連の請求については「架空請求はがき」が送られてくる事が一般的な手口として知られていますが、昨年夏ごろより「封書」が送り付けられる手口も確認されていて、より巧妙化しています。

「有料サイト利用料の督促」や「民事訴訟が起こされている」、といった裁判所からの偽通知に騙されてしまうケースが多く、またAmazonや楽天といった大手ショッピングサイトからの電子メールやSMS(ショートメッセージサービス)を真似た架空請求も連日発生しています。

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